シンクライアントとDaaSの違いとは メリットデメリット解説
DaaSをご存知でしょうか。
今話題のSaaSとはまた別物で、DaaSはデスクトップ環境をクラウド移行し様々な端末から操作でできるようになるシステムです。
このDaaSと似たものがシンクライアントです。
シンクライアントは、クラウド上にはないもののデスクトップ環境を様々な端末から閲覧できるようになるシステムです。
DaaSもシンクライアントもどちらも様々な端末から利用できるため、非常に便利なシステムです。
本記事では、このDaaSとシンクライアントについて何が違うのかをメリットデメリットを踏まえながら解説します。
目次 |
└コロナ禍 |
1.シンクライアントとは
シンクライアントとは、ソフトウェアやアプリケーションの処理をパソコンで行うのではなく、サーバーで行う仕組みのことを指します。ソフトウェアやアプリケーションの処理をサーバーで行うため、パソコンのスペックは最低限のものでよく、更に、パソコンにデータを残さずにサーバーで処理を行うため、情報漏洩の心配はありません。
シンクライアントのメリット
シンクライアントを利用するメリットは、以下の通りです。
シンクライアントのメリット |
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安全性が高い
シンクライアントは、データの処理を社内のサーバーですべて済ませるためデータを外に持ち出すことができません。そのため、情報漏洩という観点でいえば安定性が高いといえます。情報を外に持ち出せないため、個人情報を多く取り扱う病院やや公共機関などはこのシンクライアントを採用していることが多いようです。
場所を選ばずに作業ができる
シンクライアントは、1つのパソコンだけではなく、決められたデバイスからであれば複数台から接続することができます。そのため、本来サーバーを利用している場合は決められた場所や決められたパソコンからしか作業が行えなかったことに対し、シンクライアントであれば、どこからでも作業を行うことができるようになります。
シンクライアントのデメリット
シンクライアントを利用するデメリットは、以下の通りです。
シンクライアントのデメリット |
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サーバーを管理する必要がある
当然ながら、シンクライアントはサーバー上で稼働しているためサーバーを管理する必要があります。サーバーを管理するには、一般的にサーバー管理者が必要になり、既に社内スタッフにサーバー管理者がいれば問題ありませんがいない場合は、サーバー管理者を雇う必要があります。そうなると、想定以上の費用が発生してしまいます。シンクライアントを利用するなら、サーバー管理者がいる会社がおすすめです。もし、サーバー管理者がいないのであれば、DaaSを利用するとよいでしょう。
災害に弱い
サーバーが必要になるということは、自然災害に弱いということになります。理由は単純で、サーバーが地震や落雷などの被害にあってしまうと、シンクライアントを利用することはできません。こうなると、シンクライアントどころか、サーバーに接続できなくなるため、作業を行うことができなくなります。このまま事業が継続できなくなってしまうと、会社の存続の危機に陥ることになりますので、事業を継続できるように対策を行うことが重要です。
サーバー管理者が常に会社にいる必要がある
シンクライアントでテレワークを導入する場合、致命的なのが情報システム担当者などのサーバー管理者は絶対に会社にいなければならないことです。
合わせて読みたい➤シンクライアントが時代遅れな理由とは デメリット解説
2.DaaSとは
DaaSとは、Desktop as a Serviceの略称であり、デスクトップ環境をクラウド化したものだと考えてもらえると分かりやすいと思います。仕組みとしては、クラウド上にデスクトップ環境を作成し、デバイスが直接クラウド上のデスクトップ環境にアクセスするような仕組みです。このデスクトップ環境というのは、Windows OSのものもあり、Windows OS のDaaSであればWindows環境をクラウド上で扱えるため、外出先などでWindows環境を扱いたい方などにはかなり便利な仕組みであります。
合わせて読みたい➤DaaSとは
DaaSのメリット
DaaSのメリットは、以下の通りです。
DaaSのメリット |
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サーバーを管理する必要が無い
DaaSはクラウド環境で稼働しているため、サーバーを管理する必要がありません。情報システム担当者が社内にいれば問題ありませんが、いない場合にサーバーを管理しようとするとかなり大変です。情報システム担当者を新たに採用しようとしても、すぐには採用できませんし、採用すらできないな可能性もあります。そのため、社内に情報システム担当者などのサーバーを管理できる人材がいない場合は、このサーバーを管理する必要が無いよいうのは大きなメリットになります。また、社内にサーバーがある場合でも、サーバーのリソースを割かずにクラウド環境を利用できるのは、メリットになります。
接続できる端末が固定されていない
DaaSはパスワードによってログインする仕組みになっておりますので、基本的にどの端末からでもDaaS環境に接続することができます。例えば、子供が急に体調不良を起こし仕事を休まなくてはいけなくなった場合に、自宅にあるパソコンから仕事が行えるようになったり、社内共有用のパソコンから簡単に接続できたりと、柔軟な働き方を実現することができます。
スケールアップが簡単
シンクライアントの場合、スケールアップする場合は、物理サーバーを増やすかメモリを増やすなど、簡単にはできません。しかしDaaSであれば、DaaSを提供している会社(クラウドベンダー)に連絡をするだけですぐに対応してもらえます。その分の費用は発生しますが、シンクライアントであれば1ヶ月ほど時間がかかるところを、DaaSなら1週間も経たずに完了します。スケールアップ作業が簡単に済むことで、本業に専念でき業務効率化につなげることができます。
DaaSのデメリット
DaaSのデメリットは以下の通りです。
DaaSのデメリット |
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インターネット環境に依存する
DaaSはクラウドサービスですので、インターネット環境が整っていない場所では稼働しません。そのため、山の中や海の上など、インターネットが繋がらないような場所では利用できないということが起こる可能性があります。DaaSを契約したい場合は、必ずインターネットが繋がるかどうかは確認しておきましょう。
セキュリティ
セキュリティが甘いなどではありませんが、DaaS環境を用意しているのはクラウドベンダーのため、セキュリティがクラウドベンダー依存になってしまいます。ウイルス感染等に関しては、24時間データセンターの監視や、パスワードの暗号化など徹底して行われているため、十分安心とは言えます。ただ、自分たちでセキュリティ強化などが行えない点に関しては、デメリットになる可能はあります。
3.シンクライアントとDaaS流行の背景
これまで、シンクライアントとDaaSのメリットデメリットについて解説しましたが、これら2つのシステムはなぜ流行っていったのでしょうか。理由は以下の通りです。
シンクライアントとDaaSの流行の背景 |
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コロナ禍
コロナウイルスの影響で、外出できなくなったタイミングで多くの会社がテレワークを導入し始めたことをきっかけ流行していきました。シンクライアントとDaaSは、テレワークに適したシステムですので多くの会社がこのコロナ禍のタイミングで導入したということです。シンクライアントに関しては、医療機関や公共機関などでコロナ禍以前にも導入していた事例があるようです。コロナ禍が過ぎ去った現在でも、テレワークを導入している会社は多くあり、その背景にはシンクライアントやDaaSの柔軟性や利便性がある点が継続的に利用されている背景にあるようです。
インフラの整備
実は、日本のインフラは素晴らしくどこにいっても基本的に快適なインターネット環境を利用できていると思います。このインターネット環境が整備されていることは、当然のことではありません。日本のインターネット環境が整ったのは2000年代からで、それまでは3Gなどで、決して通信環境が整っているとは言えない状況でした。そのような状況から誰でも快適なインフラを利用できるようになっている今があるからこそ、シンクライアントやDaaSは流行していったということです。
4.最後に
シンクライアントとDaaSは、テレワークに最適のシステムです。しかしテレワーク以外でも活躍できるため、今でもユーザー数が増加している状況です。例えば、出張に行く際にもっていくパソコンをいつもと違うものを持っていったとしても、いつも通りの作業が出来たり、タブレット端末やスマートフォンからでも作業が行えたりします。これらのシステムをうまく活用することで、業務効率化に繋がります。
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